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【2019年度版】学生納付特例で免除された年金を追納すべきか計算した

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学生のときに学生納付特例を使って年金の支払いを免除してもらっていた人は多いと思いますが、その後10年以内であれば追納できるのをご存じでしょうか?

 

追納すれば将来貰える年金額が増えて、長生きすればするほどお得になります。しかし、例えば大学で2年半ほど免除制度を使っていた場合は追納額が50万円近くなります。

将来貰える年金が増えるとは言え決して少ない金額ではないので、追納すべきかどうか迷っている方も多いと思います。

 

私も大学時代に学生納付特例で支払い免除しており、追納すべきか迷いましたので、実際のところ追納したら得するのかを計算してみました。

 

結論から言うと、追納せずに自分で運用したほうが良いと判断したため私は追納しないことに決めました

 

今回は年金を追納したらどれくらい貰えるお金が増えるのかと、私が追納しないことに決めた根拠を紹介します!

年金の学生納付特例制度

学生納付特例制度とは

日本年金機構によると、国民年金保険料の学生納付特例制度について次のように記載してあります。

日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられていますが、学生については、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。

要するに、20歳になったら年金を払う義務があるのですが、学生は申請すれば免除してもらえるということですね。

条件は学生本人の所得が一定以下であることですので、親の収入に関わらず免除してもらえることがポイントです。

 

ただし、保険料の納付を免除してもらうと、将来もらえる年金の額が減ってしまいます。

学生納付特例制度のメリット

年金保険料の額は月1万6千円程度ですので、収入が少ない学生にとっては毎月払うのは難しいです。

親に払ってもらえる場合や、アルバイト収入などで自分で払える場合はいいのですが、払えずに未納となってしまうと、その期間が年金の「受給資格期間」に含まれないことになります。

また、未納の場合財産を差し押さえる強制徴収の対象にもなる可能性がありますので、いくら学生といえども年金保険を未納にしてしまうのは非常にまずいです。

 

年金保険料を支払えない場合は、学生納付特例制度を利用することで学生の間の支払いを免除してもらい未納となることを防ぐことができます。

また、学生納付特例制度を使用した場合は10年以内であれば追納できますので、お金に余裕ができたときに納付することもできます。

学生納付特例制度のデメリット

学生納付特例制度を使った場合、その期間は年金の「受給資格期間」には含まれるのですが、将来もらえる年金の額は減ってしまいます。

 

10年以内であれば追納することで将来年金を満額もらうことも可能ですが、当時の保険料学に経過期間に応じた加算額が上乗せされますので、支払う保険料が多くなるデメリットがあります。

 

例えば、平成21年度分の保険料を令和元年度に追納する場合、月額15280円支払う必要があります。平成21年度の保険料は14660円でしたので、支払う保険料が4%程増加したことになります。

学生納付特例の免除額を追納すべきかどうか

学生の内に年金保険料を払うのが難しい場合は、無理せず支払わずに学生納付特例制度を利用して免除してもらうのが良いですが、このときに問題になるのがあとから免除額を追納すべきかどうかです。

 

追納することで変わるのは基本的にはもらえる年金の額だけですので、支払う額ともらえる額を比較することで追納することにメリットがあるかどうかを調べてみます。

2年半学生納付特例を使ったときの国民年金免除額

まず、学生時代にいくら免除になったのかを見積もります。

学生時の国民年金の免除額がいくらになるかは誕生月などによって異なりますが、私は8月生まれですので未納分は

大学2年生:8ヶ月

大学3年生:12ヶ月

大学4年生:12ヶ月

の計32ヶ月間です。

 

追納するのに必要な金額は次の表から簡単に調べられます。

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学生納付特例制度|日本年金機構より引用

 

この表から計算すると、私の場合は全部追納するために必要な金額は

492,560円

となります。かなり高いですね。

生まれ月や入学時・卒業時の年齢などで額は変わってきますが、私のように50万円前後となる人が多いのではないかと思います。

追納して貰える年金の差額は?

次に、追納することで増加する年金の額を計算します。

 

平成31年度の例で考えると、老齢基礎年金は満額で年間780,100円です。

未納月が1月ある毎にこれが1,625円ずつ減っていきます。

 

私の場合は32ヶ月間未納ですので、追納しないと年間52,006円年金が減ることになります。

老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法|日本年金機構参照

所得控除で節税効果もある

また、年金を追納すると、追納額は所得控除の対象になりますので、節税することが出来ます。

 

どれくらい税金がお得になるかは個々人の収入などによるのですが、30歳の平均年収は400万円程度らしいので、年収400万円と仮定してざっくり計算すると

所得税の節税:追納額の5%

住民税の節税:追納額の10%

くらいの節税効果があります。住民税については所得にかかわらず10%ですが、所得税は累進課税ですので、もっと所得が高い場合は割合が大きく、所得が低い場合は割合が小さくなります。

 

私のケースように49万円を追納すれば、合計7万3千円の税金が返ってくることになります。ですので、実質的な追納学は42万円程度になります。

学生納付特例分を追納したらお得かどうかの計算

では次に、実際に追納したら得するのかどうかを計算してみましょう。

節税効果が合計で15%の場合で考えます。

 

追納額から戻ってくる税金分を引くと約42万円で、増える年金額が年間5万2千円ほどですので、単純に考えると8年間以上年金を貰うと追納したほうがお得になります。

年金は65歳から貰えるので、73歳まで生きればもとが取れることになりますね。

厚生労働省のデータによると、73歳まで生きる人の割合は男性で78%、女性で89%もありますので、男女平均すると8割以上の人は追納したほうがお得ということになります。

 

しかし、追納せずに浮いた42万円をほぼ年利0%の貯金で寝かせておくのはもったいないので、この金額を元手に運用した場合も考えてみましょう

年利1%で運用

まず、年利1%で運用した場合を考えましょう。

この場合、追納したとき・しないときの年金支給額の差額が追納額+運用利回りを上回るのは77歳になってからになります。

日本人男性の平均年齢がおよそ80歳ですので、ちょうど平均年齢まで生きれば追納したほうがちょっとだけお得です。

 

年利1%程度でしたら投資信託などでも比較的実現しやすいので、資産運用などよくわからない人でも現実的に狙える数字なんじゃないかと思います。

年利2%で運用

次に、年利2%で運用した場合です。

2%になると、年金支給額の差額が上回るのはなんと91歳になってからです。

 

厚生労働省のデータでは、91歳まで生きている人の割合は男性で21%、女性で44%ですので、年利2%で運用できれば年金を追納するより自分で運用したほうがお得になる人のほうが多くなります

年利2.5%で運用

運用の利回りが年利2.5%になると様子が変わり、何歳まで生きても追納せずに自分で運用したほうがお得になってきます。

 

2.5%というと少しむずかしいような印象を受けますが、例えば米国株にまんべんなく投資すれば2.5%は今のところ達成できる数字です。

 

追納した場合と追納せず運用した場合に、各年齢で手元にあるお金をグラフで表すと次のようになります。

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60歳以降に国民年金保険に任意加入する手もある

また、学生納付特例分の年金を追納しなかった場合でも、年金を満額貰える方法があります。

それは、「国民年金の任意加入制度」を利用する方法です。

任意加入制度|日本年金機構

 

現状では年金を支払うのは20歳から60歳までの間で、年金が支給されるのが65歳からですので、60歳から65歳までの期間は年金を支払いもしないし受け取りもしない期間になっています。

 

年金を満額受け取れない方はこの期間に国民年金を納付することで受け取る年金額を増やすことができます。

平成31年度の任意加入の保険料は月16,410円となっています。

国民年金保険料|日本年金機構

 

30年後にこの制度がどうなっているかはよくわかりませんが、将来どうなるかわからない年金を今追納するより、年金を受け取る年齢になる直前に任意加入するという選択肢もありだと思います。

結局のところ追納すべきなの?

私はいろいろ計算した結果、追納はしないことに決めました。

理由は

  • 追納分を年利2%で運用できれば追納するより得になるが、2%なら達成できそう
  • 追納分を運用に回すことで、運用の勉強にもなる
  • 満額受け取りたくなったときは60歳以降に任意加入できるため、今追納する必要性を感じない

という3点です。

 

結局のところ、

  • 追納分の資金を運用する気があるなら追納せず自分で運用
  • 運用する気がないなら追納する

というふうに判断すれば良いのではないかと思います。

 

私は、追納せずにその分のお金をiDeCoやNISAでの積立に回しています。

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